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2018.04.27

6月3日 山本源太夫社中 “蔵の辻”での総舞ご報告

春、滋賀県の旅を終えた山本勘太夫社中は梅雨時に入ると旅を一旦休止し、本拠である桑名を中心に様々な活動を行っております。本拠での祭事を始め神具や衣装の制作・稽古合宿、そして大神楽近代史の調査研究です。この度は6月3日福井県越前市“蔵の辻”での伊勢大神楽講社 山本源太夫社中による総舞奉納を取材致しましたので、ご報告させて頂きます。

“蔵の辻”総舞とは?

武生三大神楽奉納の一つに数えられ、当初は武生ゆかりの福井藩家老である本多富正入府400年記念事業の一環として総舞奉納が開始されました。古来、山本源太夫社中は福井城内において藩主や家臣の御前にて神楽奉納を執り行っていたと伝わっています。現在でも武生に居を構え越前国回檀の拠点とするなど、福井藩・武生にとって山本源太夫社中はゆかりの伊勢大神楽となっています。


奉納に先立ち、次代山本源太夫(秀平)氏が参集の皆様にご挨拶を行ないます。


△劔の舞


△四方の舞


△跳びの舞


△綾採の曲
放下師:加藤直樹・杉浦康博/道化師:斎藤晋


△水の曲
放下師:加藤直樹・寺尾寛/道化師:斎藤晋


△吉野舞


△献燈の曲
放下師:指吸長春(山本勘太夫社中)/道化師:斎藤晋

勘太夫や加藤菊太夫など他社中の大神楽師は昔から源太夫社中の越前回檀へ修行に出向く習慣があり、源太夫社中に現在帯同中の当社中の大神楽師も奉納に参加致しました。


△神来舞

伊勢大神楽では古来より社家によって舞の流派が異なり、各社中の特色になっています。それに加え昭和期の伊勢大神楽講社設立以後は、他社中が山本源太夫流の神来舞を修得し講社共通の流派としています。


△劔三番叟
放下師:寺尾寛/道化師:斎藤晋


△玉獅子の曲


△魁曲
上乗り:加藤直樹・台師:杉浦康博/上乗り:斎藤晋・台師:寺尾寛


既に地元福井では新聞・テレビなどで報道されてご存じの皆様は多いと思いますが、本年春より源太夫社中は60年ぶりに新調された神座(御宮)を曳いて越前回檀を行なっています。

この度の奉納は新たな神座のお披露目記念の意味合いもあり、訪れた多くの皆様が新調された神座に見入っていました。


武生三大神楽奉納の一つ、蔵の辻での総舞を無事終えた山本源太夫社中は再び武生の回檀に戻ります。

周辺地域の皆様方、福井藩ゆかりの伊勢大神楽 山本源太夫社中の総舞にぜひご参集頂ければ幸いです。

今後の武生での奉納日程は以下のようになっております。

◇6月14日(木)午後7時より
越前市住吉町 八幡神社例大祭

◇6月24日(日)午後2時より
越前市本町 大宝寺
山本喜一郎大神楽師追善奉納