2月3日 滋賀県大津市 建部大社にて疫病退散祈願の無観客神楽奉納並びにYouTubeによる生配信が実施されました。
神楽奉納のYouTubeによる生配信は約50分程で終了しましたが、配信終了後に特別神楽として山本勘太夫社中における最古参の大神楽師 山本明一(66)による神楽師生活50周年記念奉納を実施させて頂きました。
奉納演目 『神来舞』(宗家 山本源太夫流五段)
近江一之宮である建部大社での総舞は、山本勘太夫社中にとっては一年の舞始めとなる総舞です。旧年の旅の中で続けた修練の成果を御祭神に報告する事で、迎えた新年が良きものとなるよう豊年祈願を行うのです。今年はこのような節目の年という事もあり、通年の若手神楽師ではなく古参の大神楽師による奉納をもって建部大社のご祭神に近江の国の安泰や社中の繁栄、そして疫病退散を祈念致しました。
奉納演目として選びました神来舞(シグルマ)は古来より伊勢大神楽講社の大神楽師たちにとって最も尊い舞として伝承され続けて参りました。神来舞の踏み足は三百六十五歩から成り一年の厄落としを意味します。近代より日々の檀家回りにおいて一戸一戸のお祓いにて舞われておりますが、古くは関所を跨ぎ新たな国へ足を運んだ際には必ず城主の元へ立ち寄り武運長久を記念したと言われる、格式を備えた舞です。この度の奉納では近代に主流となった二頭舞ではなく、古式に習い一頭舞での奉納と致しました。
お立合い頂きました皆様、ご協力を賜りました建部大社関係者の皆様、配信をご視聴頂きました皆様、誠にありがとうございました。