2019年7月28日、大阪府阪南市 波太神社にて総舞を奉納致しました。
本来は27日(土)に予定されておりましたが、台風の接近を受け、翌28日に日延べし実施されました。
開始前の家元挨拶では、昨年7月に発生した西日本豪雨を受け実施した被災地への寄付金募集の経過・結果をご報告させて頂きました。
※昨年8~9月、波太神社にて総舞みやげをお買い求め頂いた際に皆様よりお納め頂いた御初穂料の累計14万4千円に当社中よりの寄付金を加算し、見舞金20万円を岡山県岡山市東区を中心とする被災地各自治体へ当社中より直接お届け致しました。ご賛同頂きました皆様方、誠にありがとうございました。
△鈴の舞(舞手:松下雄陽)
総舞に先だってご祭神に向け、鈴の舞を奉納致します。鈴の舞には一般的な祭事における始まりの儀である“禊祓い”の意があります。
△劔の舞(舞手:石崎雄一朗・松下雄陽)
△四方の舞(舞手:石崎雄一朗・松下雄陽)
△扇の舞(舞手:松下雄陽)
△綾採りの曲(放下師:指吸長春 道化師:山本勘太夫)
波太総舞始まりの放下芸を担うのは、地元阪南市出身の指吸長春です。道化師役は令和最初の特別奉納に伴い、家元の山本勘太夫が務めました。芸能成立より450年以上の歴史を持つ伊勢大神楽において道化師と放下師が行う話芸“萬斎”には様々な古典ネタが伝承されております。それと共に、一年を旅の空に過ごす大神楽の特色から、ベテラン神楽師が行う経験に裏打ちされた即興萬斎も芸能の大きな魅力となっており、特別奉納の一環として台本無き11分間の即興萬斎を披露致しました。
△水の曲“半水”(放下師:指吸長春 道化師:石崎雄一朗)
△水の曲“長水”(放下師:指吸長春 道化師:石崎雄一朗)
△水の曲“皿”(放下師:指吸長春 道化師:石崎雄一朗)
△水の曲“突き上げ”(放下師:山本勘太夫 道化師:石崎雄一朗)
△吉野舞(舞手:指吸長春・松下雄陽)
△手毬の曲(放下師:山本勘太夫 道化師:石崎雄一朗)
かつて当地を回檀した伊藤森蔵社中の家元が代々得意演目として継承してきた“手毬の曲”です。長年の継承者不在を経て平成22年に現勘太夫により復活し、令和の時代まで受け継がれてきました。
△献燈の曲(放下師:松下雄陽 道化師:石崎雄一朗)
△神来舞“南勢 伊藤森蔵流”(舞手:指吸長春・石崎雄一朗)
手毬の曲と同じく、旧家元 伊藤森蔵より伝承した南勢 伊藤森蔵流 神来舞です。
森本忠太夫流を始めとする北勢の流派とは違い、猛々しい舞手で構成された男舞となっています。
△剣三番叟(放下師:山本勘太夫 道化師:石崎雄一朗)
△魁曲
先発(上乗:指吸長春/台師:石崎雄一朗) 後発(上乗:山本勘太夫/台師:松下雄陽)
昨年度の五周年記念奉納に続き、令和改元記念の目玉となる二頭立ちによる花魁道中です。勘太夫社中のみ伝承される古芸“前掛かり”や二頭合計11張にも及ぶ和傘を用いた一本立ちなど、各時代を経て継承され続けてきた大技の数々に境内が大きく沸きました。
終了後は恒例の頭噛み・記念撮影が行われました。
また、近年では新興住宅地や遠方にお住まいの方など、回檀が実施されていない地域の方に神札を授与する楽祓も定着し、若い世代の親子連れなど多くの方に神札を授与致しました。
長年のご要望にお応えし、昨年の総舞よりお求め頂けるようになった“総舞みやげ”です。
令和元年のデザインは伊勢大神楽講社の獅子を模したものです。
本年は台風の接近に伴い奉納開始後初となる奉納日の延期となりましたが、大きな混乱なく無事に奉納させて頂く事ができました。
奉納にご協力頂いた関係者の皆様、日延べにも関わらずご参集下さりました皆様方、ありがとう御座いました。
また、日延べにより本年はお出逢いできませんでした皆様方、申し訳ございませんでした。
皆様方と来年7月末、波太神社総舞にてお出逢いできるのを楽しみにしております。