4月14日 三重県伊勢市『伊勢神宮(内宮)』参集殿にて奉納神楽を行いました。
奉納に先だって、御垣内参りを行いました。
江戸期、神宮祭主より免許書を受け、代理参拝人という役割を担ってきた伊勢大神楽講社が現代に遺す代参の神事です。
伊勢大神楽講社では現代でも春と秋の二度、伊勢神宮への代理参拝を行っておりますが全社中の大神楽師が一同に集うのは、春の参拝のみとなっております。
奉納の始まりを告げる寄席太鼓が参集殿の能舞台に響き渡ります。史上初の奉納中止となった令和二年度を経て、2年連続での奉納となります。
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△剣の舞・四方の舞
舞手:石川源太夫社中/加藤菊太夫社中
△扇の舞
舞手:山本勘太夫社中(山本八太・山本大貴)
令和二年度の奉納中止を挟み3年連続で勘太夫社中が選出されました。扇の舞は獅子・猿田彦双方の躍動感を特徴とする演目である事から比較的、若手が担う事が多い演目です。今年は、平成三十一年度入門ながら勘太夫社中史上最長の大神楽師見習い期間を経て今期より晴れて大神楽師の認可を得ました山本大貴が猿田彦役を担いました。今後益々の活躍にご期待下さい。
神宮奉納では唯一となる放下師が登場する演目です。近年の若返りを機に放下芸の主役は30代~40代より10代~20代へと徐々に移っていますが、大舞台では大神楽師歴20年以上を数える長年師が登場致します。
△献燈の曲
演者:山本源太夫社中
△神来舞
舞手:山本源太夫社中
△魁曲
演者:山本勘太夫社中(上乗り:山本春太夫)/山本源太夫社中/森本忠太夫社中
山本勘太夫社中は本年をもって14年連続での魁曲選出、内12年は先発での選出となります。
最後は一般社団法人伊勢大神楽講社 代表理事 山本勘太夫の挨拶をもって奉納終了とさせて頂きました。
悪天候の中では御座いましたが、本年も神宮参集殿にお集まり下さった皆様方、ありがとうございました。昨年同様に本年も4月現在では、まだまだ感染病流行への懸念において変わらぬままではありますが、一年という時間の経過はこれまで続いてきた文化行事・催事の在り方について良き見直しを図る機会となり、このような状況下でも対策をもって実施する事ができる所まで新たな価値観・考え方が培われてきたのだと示せたように思います。
来年も変わらぬ形で皆様にお出逢いできるのか、また新たな形が模索されるのか時代や世の中の移り変わりを見極めつつ、法人の責任役員として最善を尽くして参りたいと思います。
まだまだ安心できぬ状況に変わりはありませんが、皆様方のご健康を引き続きお祈り致しております。
伊勢大神楽講社 山本勘太夫