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2023.05.07

5月3日 岐阜県揖斐川町での公演ご報告

 

例年5月、岐阜県揖斐郡揖斐川町にて『揖斐祭り』が開催されます。

5月3日、本祭に先駆けて実施された揖斐川町地域交流センター”はなもも”にて実施の特別公演に一般社団法人 伊勢大神楽講社より山本勘太夫社中が招聘されました。

 

 

はなももは座席数800以上の大ホールです。例年の催事では子ども歌舞伎の上演のみですが、本年は新たな試みとして伊勢大神楽を招聘しての特別公演となりました。

 

 

伊勢大神楽公演の前後には当地の子ども歌舞伎の練り込みや上演が行われ、地元観覧者や多くのカメラマンが詰めかけました。

 

岐阜県や揖斐川町において初見である『伊勢大神楽』は文化的にも馴染みの薄いものです。

簡単な解説も兼ね、公演に先だって舞台上から当地・当館の清め祓いを行い、いよいよ神楽の奉納です。

 

 

△劔の舞/四方の舞(舞手:加藤菊太・山本八太 猿田彦役:大神楽師見習い)

劔の舞は別名”悪魔祓い”と称されます。多くの観覧者にとって初見である伊勢大神楽を奉納する事もあり、劔の舞から四方八方の邪気を祓う四方の舞へと、日ごろの回檀における基本的演目を丁寧に披露していきます。

 

△水の曲“皿の曲”(放下師:山本春太夫/道化師:山本勘太夫)

技巧的な囃子の中、重量ある大皿を軽快に操り、道化師との掛け合いも魅力である皿の曲は、山本勘太夫社中における舞台公演や放下芸の魅力を伝える上で重宝する名刺変わりの演目です。

ご覧のみなさま、これぞ 伊勢大神楽!です。

 

 

△神来舞”山本源太夫流4段”(舞手:加藤菊太)

本公演には山本勘太夫社中に加え、加藤菊太夫社中より新家元 加藤菊太が参加。自身の社中における襲名披露の旅を続ける最中、本公演においても襲名記念の独り舞を披露しました。

 

 

△魁曲(上乗:山本春太夫/台師:山本八太)

30分に及んだ特別公演の最後を締めくくるのは、伊勢大神楽の華”花魁道中”です。

最後は一反走りからの道中伊勢音頭(別れの唄)の唱和でご参集の皆様にお別れのご挨拶です。

 

 

万雷の拍手を頂き、伊勢大神楽の特別公演もこれにて終了です。

 

 

総舞奉納や舞台公演の多い山本勘太夫社中では、すっかりお馴染みとなった総舞みやげの物販スペースや神札授与所(楽祓)も設けられ、この日初めて伊勢大神楽に触れた皆様にも多数お求め頂いた他、写真撮影や獅子の頭噛みも行われました。

 

「NHKのドキュメンタリーでお馴染みの伊勢大神楽が、まさか町に来てくれるとは」

「これから、どちらを旅されますか?ずっと追っかけたいと思います」

遠征公演でしか出逢えない町や人がいる。一期一会の出逢いに感動しつつ、

旅から旅へ。山本勘太夫社中は“普段の旅”へと帰って行きます。

今回の催事にご招待頂きました関係者の皆様、ご来場・お迎え頂きました揖斐川町の皆様、改めてお出逢いに感謝致しております。また、お体に気を付けて実りある一年をお過ごしされますことを社中一同、伊勢よりお祈り致しております。

家元 山本勘太夫