7月23日、大阪府泉佐野市岡本にて総舞を奉納致しました。
泉佐野市で総舞が行われるのは約50年ぶり。
総舞に先だって当地の氏神である船岡神社ご祭神に総舞の奉納を報告致します。
△四方の舞(舞手:指吸長春・松下雄陽/猿田彦役:長谷川大貴)
△扇の舞(舞手松下雄陽/猿田彦役:長谷川大貴)
△綾採りの曲(放下師:山本勘太夫 道化師:石崎雄一朗)
昔の総舞を知る当地の60代以上の世代に一番人気となるのは道化師役です。
約50年ぶりに“でべすけ!”の声援が飛びます。
※でべすけ=道化師役の当地での愛称
半世紀ぶりのでべすけ襲名、誠におめでとう御座います!
△水の曲“皿の曲”(放下師:指吸長春 道化師:石崎雄一朗)
△毬獅子の曲(獅子:松下雄陽/翁:山本勘太夫)
勘太夫社中においての奉納は大変珍しい演目であるで毬獅子の曲です。
夏場の奉納は珍しいこともありおそらくは当地での奉納も史上初めてと思われます。
予想だにしない大役抜擢に、翁も終始緊張の面持ち(!?)です。
△献燈の曲(放下師:松下雄陽 道化師:石崎雄一朗)
△神来舞“正調 ”山本勘太夫流(三段)”(舞手:指吸長春・長谷川大貴)
泉州で神来舞と言えば旧伊藤森蔵流が本流になりますが、半世紀ぶりの奉納に華を添えるため
滅多と披露しない正調 山本勘太夫流の神来舞を披露しました。
△剣三番叟(放下師:山本勘太夫 道化師:石崎雄一朗)
△魁曲(上乗:指吸長春/台師:石崎雄一朗)
総舞の最後のお楽しみと言えば魁曲。そして参集者皆での伊勢音頭唱和です。当時のこども達、伊勢大神楽の総舞が岡本の村へ帰ってきました。半世紀ぶりの伊勢音頭の節は如何でしたでしょうか?
終了後の恒例である頭噛みは、半世紀ぶりの総舞奉納について各々の思い出話と共に語り合う、交流の時間となりました。
総舞が途絶えたあとも変わらず泉佐野市を訪れており、変わらず岡本の町との交流は続いていましたが
この令和4年7月。この日船岡公園で流れた80分という時間は約半世紀に及んだ“僅かな寂しさ”を吹き飛ばすには十分な質量をもっていたのだと確信しています。
来年、新たに記憶に加えられた思い出話に華を咲かせつつ岡本の町を回る―そんな時間の訪れに期待しつつ、また旅の続きに向けて歩みだしたいと思います。総舞の実現にご尽力頂いた当地町政会の皆様方、お越し頂いた近隣地域の皆様方、心より御礼申し上げます。
山本勘太夫