2月1日、東近江市河桁河辺神社にて一般社団法人伊勢大神楽講社 加藤菊太夫社中が総舞を奉納致しました。
加藤菊太夫社中は江戸後期より活動する現存する伊勢大神楽講社5社中において最も新興の社中です。近年は急速な世代交代の最中にあり山本勘太夫の支援の元、新家元を立てるなど再興を計っております。令和5年1月より新家元 加藤 菊太(きくた)氏襲名の後見人として当法人代表理事である山本勘太夫が東近江の回檀に帯同しております。
△加藤菊太夫・山本勘太夫両社中は令和4年より法人化により運営統合致しました。
△劔の舞/四方の舞(舞手:加藤難波・山本勘太夫/ 猿田彦:加藤元春)
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△綾採りの曲/水の曲(放下師:加藤菊太 道化師:斎藤茂吉)
河辺神社総舞において放下師として先陣を切るのは新家元 加藤菊太です。加藤菊太は先代加藤菊太夫の甥にあたり平成13年に入門、後に山本源太夫社中に配属となり長らく活動しておりましたが、後継者不在につき令和4年度より復帰しました。将来の『太夫』襲名を目指し八舞八曲の修得に日々精進しています。
△水の曲”皿の曲”(放下師:山本勘太夫)
先代加藤菊太夫の十八番であった皿の曲です。若くして八舞八曲を修得した山本勘太夫を以てしても放下芸の達人であった先代菊太夫には遠く及びませんが、昔を知る当地の方々には馴染深い演目の奉納となりました。
△吉野舞(舞手:加藤難波・加藤元春)
△神来舞“北勢 山本源太夫流”(舞手:加藤菊太)
本年、各所で披露している新家元菊太による神来舞の一人舞です。北勢流の基礎である山本源太夫流神来舞は昭和30年代に加藤菊太夫家によって舞手を再構築され現代に遺っています。
△魁曲(上乗:加藤菊太/台師:加藤難波)
総舞の締め括りの魁曲です。伊勢音頭の唱和で来年の再会を約束致します。
魁曲の奉納をもって令和5年度の河辺神社総舞を無事に終了しました。1月末の荒天の影響もあり足元の悪い中ではありますが、記念すべき新家元の襲名ご挨拶を兼ねました本年の総舞に、多くの皆様にお集まりいただく事ができ、本部役員として感無量で御座います。まだまだ先代菊太夫から見て未熟、今後の精進が必要な社中、新家元でありますが地域の皆様には一層のお力添えを頂き、どうか再び加藤菊太夫社中が国指定重要文化財の担い手として名に恥じぬ活躍ができるよう、引き続きお見守り頂けましたら幸いです。
一般社団法人伊勢大神楽講社 代表理事 山本勘太夫