12月24日 伊勢大神楽の本拠地である三重県桑名市太夫『増田神社』において伊勢大神楽講社 全5社中による総舞が奉納されました。
△総舞の開始に先駆け、拝殿にて剣の舞を奉納します。
△鈴の舞(石川源太夫社中/山本勘太夫社中)
石川源太夫は現存する5社中において唯一、東阿倉川の系統を引く社中です。猿田彦役は勘太夫社中所属、山本明一が務めました。
△四方の舞・跳びの舞(石川源太夫社中/山本勘太夫社中)
△扇の舞は昨年に続き、山本勘太夫社中が務めました。獅子の舞手は石崎雄一朗・猿田彦役は藤田直樹です。
△綾採の曲(山本源太夫社中)
源太夫社中による綾採の曲です。同社中における萬歳(道化師役と放下師が掛け合う漫才)では、大神楽固有の古典的なネタが披露される事が多く、総舞を見慣れた玄人の観覧者をも唸らせます。
△水の曲(森本忠太夫社中/石川源太夫社中/山本源太夫社中)
△水の曲(戸板廻し/皿)は家元 山本勘太夫が務めました。本年復活した古典芸である戸板廻しも披露され、増田神社の奉納においては約30年ぶりとなりました。
△吉野舞(山本源太夫社中/山本勘太夫社中)
△手毬の曲は約2年ぶりに山本勘太夫社中が奉納致しました。演者は指吸長春です。毬を天高く放り上げ、額で受け止める、『霞毬』では、毬の額止めから耳・口に至るまで七度連続して止め技を成功させる至難の技が復活披露され、境内が大いに沸きました。
△神来舞(森本忠太夫社中)
△献燈の曲(山本源太夫社中)
△毬獅子の曲(森本忠太夫社中)
森本忠太夫社中の毬獅子の曲は、かつて毬獅子の曲を得意演目としていた故加藤孫太夫社中の流れを汲んでおり、獅子・翁役の掛け合いや緻密な所作に定評があります。
△剣三番叟(加藤菊太夫社中)
△魁曲(山本勘太夫社中/山本源太夫社中/森本忠太夫社中)
最後は3組による花魁道中、そして伊勢音頭の唱和で約3時間の総舞奉納に幕を下ろします。
本年の奉納は事前の予報による悪天候が心配されておりましたが、奉納時刻には無事晴天となり滞りなく総舞奉納を終える事ができました。お集まり頂いた皆様方が、また良い年をお迎え下さる事を、桑名の地よりお祈り申し上げます。
山本勘太夫