令和5年12月23日 伊勢大神楽講社の本拠地である三重県桑名市太夫は増田神社にて伊勢大神楽講社における最重要神事である 『神講』が執り行われました。
神講とは?
江戸期、伊勢大神楽発祥の地である全戸が神職から成る太夫村(現在は村内には山本源太夫・森本源太夫の二家のみ)に伊勢御師の荒木田孫福館太夫を迎え入れ、共に祭儀を執り行い全国に頒布する神宮大麻を神前で受け取る事で、お伊勢参りの代理参拝役であった‟伊勢代神楽”を成立させる神事が執り行われており、この由緒を現代に遺す欠かす事のできない年中行事となっています。
また、神講に参列が許されるのは古来より世襲制度により先祖代々、伊勢大神楽を家業としてきた太夫家の男性と定められておりましたが、本年は山本勘太夫家の代表として、所属大神楽師の指吸長春(入門17年目)が新たに山本家の名跡を継ぎ『山本春太夫』を襲名し、神事に参列致しました。
山本春太夫
△左が山本春太夫。先代勘太夫の門弟。「近代大神楽史において太夫家以外の志願入門者が伊勢大神楽における職位の最高位‟太鼓打”(八舞八曲十六演目全てを修得した者)に僅か入門7年で辿り着き、長らく活躍を続けた事で伊勢大神楽講社の発展に大きく貢献した実績は太夫襲名に相応しい」との理由で先代勘太夫より襲名の推薦を受けました。
また、併せて一般社団法人所属の全ての大神楽師たちが、増田大明神(増田神社の御祭神)に氏名を献上し、新たに大神楽師名を授かる神事を執り行いました。
左より
山本笙(入門2年目)
山本真之介(入門2年目)
山本八太(入門9年目)
山本春太夫(入門17年目)
山本勘太夫(太夫家)
先代山本勘太夫(太夫家)
加藤菊太(入門24年目)
加藤難波(入門11年目)
加藤元春(入門2年目)
山本大貴(入門6年目)
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△先代勘太夫(当時24歳)の襲名式の様子。
同じく佐々木金太夫氏(故人)より推薦を経て70年ぶりに古の太夫名(山本勘太夫)を復活させました。