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2024.07.24

7月21日 新潟県燕市 第51回分水祭りでの総舞奉納

      

7月、大阪は泉州での活動を続ける山本勘太夫社中が一夜限りの招聘を受け新潟県燕市で行われる第51回分水祭りに出演しました。2023・24年の4月に新潟市で開催のアートミックスジャパン出演を受け、地元和太鼓団体である『分水太鼓』より、ぜひ燕市にも伊勢大神楽を届けて欲しいと招聘を受け一夜限りの約束で特別に実現したものです。

 

△アートミックスジャパン出演時のドキュメンタリー映像

 

山本勘太夫社中では同日も大阪泉州で山本春太夫による回檀が行われており、若手大神楽師たちに加藤菊太夫の家元を加えた一夜限りの”山本勘太夫組”として、新潟の地へ帰ってきました。

 

 

 

△劔の舞・吉野舞(舞手:加藤菊太/唄:山本勘太夫)

山本勘太夫社中と同じく、国指定重要無形民俗文化財の指定を受ける加藤菊太夫社中より家元 加藤菊太が新潟県初登場です。大神楽師としての職位は放下師(芸者)でありながら、誰より舞に秀でた大神楽師として10代より活躍をしてきた、その手さばき足さばきは燕市の人々が初めて目にする「伊勢大神楽の獅子」として十分なインパクトをもたらしました。      

 

 

△四方の舞(舞手:加藤菊太/猿田彦役:山本笙 )

天照大御神に遣える神獣である獅子に、伊勢の地の案内人である導きの神”猿田彦”が先導役となって共に四方の祓い清める四方の舞です。持ち味である体の柔らかさを生かした若手大神楽師らしい猿田彦役を務めるのは若手大神楽師の山本笙です。眠りについた獅子を目覚めさせる「起こし」の場面では、拍手喝さいが巻き起こりました。

 

 

△綾採りの曲(放下師:山本勘太夫/道化師:山本大貴) 近年は道化師役を主とし、放下師としては後進に道を譲っていた山本勘太夫が、放下師として燕市に登場です。道化師は入門5年目の山本大貴です。伊勢大神楽を初めて目にする雀市..いや、燕市の皆様の爆笑をかっさらうのは彼しかいない!?    

 

 

   △水の曲”長水”(放下師:加藤菊太/道化師:山本大貴)  

 

 

△水の曲”皿の曲”(放下師:山本勘太夫/道化師:山本大貴) アートミックスジャパンで二年連続披露され、今年はTeNYテレビの公演CMでも映像が使用され大きなインパクトを残した皿の曲です。

 

 

△神来舞”山本勘大夫流 参段”(舞手:山本真之介・山本笙) 燕市の土地を祓う神来舞が奉納されます。両家元による賑やかな放下芸が続きましたが、若手大神楽師たちによる真摯な神楽に空気が引き締まります。一年を新たな技の修得に旅の空に生きる若手たちによる最も“旬”な神楽です。365歩の踏み足で当地一年分の厄祓いを行う神来る舞は、全国津々浦々の町を歩きお祓いを主たる活動とする伊勢大神楽の大神楽師にとって最も重要と言える演目です。

 

 

 劔三番叟(放下師:山本勘大夫)

仕上げの邪気祓い、そして分水祭りの催行を祝う祝賀舞である劔三番叟です。

 

 

 

魁曲(上乗:山本大貴・台師:山本勘太夫)

最後を締めくくるのはやはり魁曲です。伊勢音頭(別れ唄)の唱和で大神楽師たちから燕市の皆様へ感謝と別れのご挨拶です。春太夫が帯同していないこの度の山本勘太夫組では、道化師の山本大貴が上乗り(花魁役)を務め、分水祭りの催行に華を添えました。

 

 

伊勢大神楽の奉納終了後はすぐ様、分水太鼓による演奏が行われました。当地の古事に因んで創作された曲々は、伊勢大神楽の各演目の起こりを想起させます。

 

 

最後に餅撒きでお手元に届きましたはお餅は、開催前に安置場所で祈祷を行った特別な品々になります。お越しに皆様にとって、またの一年が良きものとなる事を私共、伊勢大神楽からもお祈り致しております。お越し頂きました地域の皆様、ご尽力頂きました関係者の皆様方、ありがとうございました。

ご縁があったらまた来年お出逢い致しましょう。

 

国指定重要無形民俗文化財 伊勢大神楽講社 山本勘太夫