8月、お盆より勘太夫社中は岡山県の旧備前国周辺を回檀します。伊勢大神楽は本来、半日を掛けて一戸一戸の回檀を行い、午後の半日は神社や広場などで村の大回し(総舞)を行ってきました。各村の戸数が増えた現在でも備前では古の日程が守られており、伊勢大神楽におけるの最も古い形の慣習を遺す地域の一つと言えます。
△備前では村々によって伊勢大神楽の来訪日が定められています。「大神楽が来たら夏が過ぎる」「大神楽が帰ったら夏最後の草刈りをする」大神楽の訪れと季節の移り変わりは共にあるようです。
△備前では五穀豊穣・牛馬安全など農畜産業の繁栄を祈念するため、“楽々の舞”に使用される忌竹の笹を家や蔵の入り口に飾る慣習があります。総舞終了後には参集者が一斉に忌竹の元に集まるのが通例です。
△全ての忌竹を配り終えると、大神楽師達は奉納場所から集落の端まで別れの囃子(祇園囃子)を奏でて練り歩きます。