5月23日~26日 大韓民国慶尚南道晋州市にて“晋州世界民俗芸術ビエンナーレ2019”が開催されました。
晋州世界民族芸術ビエンナーレは世界各国の多様なジャンルの公演団や学者が一堂に会する民族芸術の祭典です。
2019年度の参加国は開催国である韓国の他、日本・中国・モンゴル・フィリピン・ウズベキスタン・ロシア・トルコの8か国となっており、伊勢大神楽講社 山本勘太夫社中はビエンナーレより招聘を受け、この度史上初となる訪韓を果たしました。
またビエンナーレの前身は晋州仮面劇フェスティバルという芸能祭で、地元韓国の芸能団体を中心に日中より一か国が招聘を受けていおり、伊勢大神楽講社では2008年に加藤菊太夫社中が訪韓しています。
23日には晋州市のLH大講堂にて開会式が行われ、参加各国の公演が行われました。
△フィリピンチーム
△ロシアチーム
△韓国チーム
各国チームの持ち時間は僅か15分ほどでしたが、事前のリハーサルから試行錯誤し、無事に出番を終えました。
24日には大会恒例となる晋州城周辺のパレードが行われ、参加各国が市民と触れ合いながら市内を練り歩きました。
△また、日本チームは史上初となる試みとして、竈祓いが行われ市場周辺を1時間ほど掛けて回檀しました。
本来は大会側の企画として“回檀パフォーマンス”として催されたものでしたが、前日のLH大講堂の公演直後であった事や、当地では1月に地元芸能団によるチシンパルキ(韓国語で門付・竈祓いの意)が行われていることも重なり、自然に受け入れられる形で韓国史上初となる日本団体による竈祓いが実現致しました。
お供え物には、御新米・御献酒、そして御燈明を捧げるなど日本文化と変わらぬ地神信仰の一面を見ることができました。
25日は晋州城野外舞台とナムガン野外舞台の二部公演が行われ、26日の閉会式を待たず帰国となる日本チームにとっては、この日が最後の公演となりました。
△晋州城野外舞台における公演の様子
晋州城は16世紀に豊臣秀吉が行った朝鮮出兵の際の激戦地であり双方で十数万人の死者を出した事で知られています。
勘太夫社中は改元の節目である5月1日には大阪城にて新天皇御即位記念となる神楽を奉納し、奇しくも5世紀の時を経て同様の航路を経て海を渡り晋州城で神楽を奉納する形となり、時代の流れを実感する奉納となりました。
夜に行われた公演の会場となったは、前身となる晋州仮面劇フェスティバルの時代から御馴染みとなっているナムガン野外舞台です。
△ウズベキスタンチーム
△中国チーム
△2008年に行われた加藤菊太夫社中の訪韓以来、11年ぶりに伊勢大神楽講社がナムガンの舞台に立ちました。家元 山本勘太夫は当時の遠征に神楽師見習いとして帯同しており、時を経て今度は自身の社中を率いての参加となりました。
△2008年晋州仮面劇フェスティバルより加藤菊太夫社中公演の様子
3日間に渡った韓国遠征並びに国際的芸能祭への出演ですが、若き社中にとって多くの出逢い・経験を積むことができました。
必ずやこの経験を活かし一層の精進を重ね、日々の檀家回りに活かしていきたいと思います。この度の日本チームをご支援頂いた皆様、温かくお迎え頂いた当地の皆様方、誠にありがとうございました。
家元 山本勘太夫
※この度の遠征の模様は伊勢大神楽講社 公式チャンネルIse-dai-kaguraにて夏頃公開予定となっております。