11月3日 愛知県豊川市二川宿本陣資料館より招聘を受け、公演を行いました。
しばし休館が続いていましたが本催事を『再始動』と銘打ち、節目の営業再開となりました。
東海道五十三次の中では、比較的小さな二川宿。しかし、お伊勢参りが流行した江戸期には多くの旅人が往来しにぎわったと推察されます。
伊勢路を夢見て、かつてこの町、この道、この場所を訪れた旅人へのご挨拶を兼ねて当地の竈祓いを行います。
また、(一社)伊勢大神楽講社も本来は山本勘太夫社中は岡山備中へ、
加藤菊太夫社中は兵庫は播州への一年の舞納めの旅がある中ですが、古来伝統の回檀を
昨年度の大神楽師免許制度により山本姓・加藤姓を授かった若手たちに、それぞれの社中を任せ
太夫二名を含む長年師たちが本日のために豊橋へ集まってきました。
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△劔の舞・四方の舞(舞手:加藤菊太/猿田彦:楠見ブライアン晃‟勘太流獅子舞保存会所属”)
まさに宿場町での奉納に相応しい演目と言える四方の舞。伊勢の地への案内役である導きの神“猿田彦“が先導役となって獅子と共に四方の御祓いを行います。
△綾採りの曲(放下師:山本春太夫/道化師:山本勘太夫)
昨年度、山本春太夫を襲名した大神楽界随一の放下の達人が豊橋へ参上です。
まずは来館者へのご挨拶代わりに放り物と古典萬歳(漫才)でお出迎えです。
△水の曲‟皿の曲”(放下師:山本春太夫/道化師:山本勘太夫)
△吉野舞(舞手:加藤菊太/唄:山本勘太夫)
山本勘太夫社中と同じく、国指定重要無形民俗文化財の指定を受ける加藤菊太夫社中より家元 加藤菊太が登場です。代々舞に定評がある加藤家の舞型の直系継承者らしく、唯一無二の手さばき足さばきが参集者を惹きつけます。
△献燈の曲(放下師:山本春太夫/道化師:山本勘太夫)
△劔三番叟(放下師:山本勘大夫)
本館の再始動を祝う祝賀舞、劔三番叟です。道化師の山本勘太夫が三番叟を踏みます。
かつて地方で人気だった放下師がやがて後進に道を譲り、経験と話芸を生かし晩年に道化師となる。
そんな大神楽の当たり前も、昭和後期よりめっきり見られなくなりました。
ある意味では近代大神楽で最も貴重と言える「実は、やれば出来る道化師」
―ご堪能頂けましたでしょうか?
△神来舞“宗家 山本源太夫流 四段“(舞手:加藤菊太・斎藤茂吉)
二川の土地を祓う神来舞が奉納されます。365歩の踏み足で当地一年分の厄祓いを行う神来舞は、全国の町を歩きお祓いを主として活動する大神楽師にとって最も重要と言える演目です。
△魁曲(上乗:山本春太夫・台師:山本勘太夫)
最後を締めくくる魁曲です。伊勢音頭(別れ唄)の唱和で大神楽師たちから来館の皆様へ別れのご挨拶です。この十年では殆ど披露されていない山本春太夫・勘太夫の両太夫による魁曲です。
終了後はお待ちかね。総舞みやげの販売や御札の頒布。そして、獅子による頭噛みのお祓いです。
小さなお子様、怖いものは..怖いですよね。
小さなお子様でも、欲しいものは..欲しいですよね。
お越しに皆様にとって、迎える新年が良きものとなる事を私共、伊勢大神楽からもお祈り致しております。
お出逢いしました地域の皆様、ご尽力頂きました関係者の皆様方、ありがとうございました。
ご縁があったらまたお出逢い致しましょう。
国指定重要無形民俗文化財 伊勢大神楽講社 山本勘太夫