3月20日 京都府京都市 京都ブライトンホテルにて行われました『京観世林家 創始四百年 十四世林喜右衛門襲名を祝う会』にて伊勢大神楽講社が招聘され神楽奉納を行いました。
△観世流能楽師 十四世林喜右衛門(宗一郎)氏
林喜右衛門家とは
林家は京都にて能の観世流シテ方を務める家です。
初代林喜右衛門(1634没)は京都市の千本三条にて林喜右衛門を名称し、謡を以って生業としたとされています。
寛文 5 年 (1665) 出生の三世玄融より十一世幽玄が御室に移るまでの二百余年、新町高辻岩戸山町に住み、京都における謡指南の家、京観世五軒家の一つとして能の世界で重きをなし、多くの門 人を擁してきました。
三世玄融が50歳を超えた江戸享保年間に観世の直門となり、これより代々林家は江戸の観世宗家の元へ修行に通うのが慣しであり、現在まで受け継がれております。
元々は素謡が専門の家であり、 能の立方を務めるようになったのは十世林喜右衛門玄忠の代と言われています。
→詳細は林宗一郎HP http://hayashi-soichiro.jp/howto
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来賓には西脇隆俊京都府知事が名を連ねるなど、京都府内外問わず各界から所縁ある方々が列席されました。
△妙花妙音(謡・舞:林喜右衛門)
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山本勘太夫社中が道行きの笛の音と共に会場に登場し、林喜右衛門氏(旧名 宗一郎)の新たな門出の厄祓いを執り行います。
△神来舞‟山本源太夫流六段(舞手:加藤菊太/囃子方:山本勘太夫・山本春太夫)
△劔三番叟(放下師:山本勘太夫/囃子方:山本真之介・山本春太夫・加藤菊太)
今回の祝賀会への伊勢大神楽招聘の最たる理由となったのが、この劔三番叟でした。古式の祝賀舞である三番叟は能・狂言でも演じられており、大陸から伝来した散楽を源流に日本において様々な形で発展・伝承され、現代でも数々の古典芸能にその姿を遺しています。林喜右衛門氏たっての希望で今回の劔三番叟奉納が実現しました。
当日3月20日春分の日は、伊勢大神楽講社 山本勘太夫社中にとって古来より違わぬ約束である滋賀県守山市矢島町の回檀日です。当日は早朝より矢島町での檀家回りで家々を歩き、会への出演の間だけ町を離れ、ふたたび町へと帰る。
新しき出逢いや縁も育み、また伊勢大神楽として古来より寸分狂わぬ村々の年中行事も堅く守る。そんな現代の大神楽師の姿を、この日の在り方を通じてお見せできたのではないかと自負しております。
伊勢大神楽招聘をご企画頂きました関係者の皆様、当日ご参集の皆様方、そしてこの度、ご襲名をされました林喜右衛門様、ありがとうございました。皆様方の安寧を近江路よりお祈り致しております。
伊勢大神楽講社 代表理事 山本勘太夫